ヨーロッパ街歩き⑧アウシュビッツ(ポーランド・オシフィエンチム)
さて、クラクフという全く聞きなれない、聞いたこともない町になぜ来たかというと、ここはアウシュビッツツアーの拠点になる町だから
泊まっているエアビーのレビューも1000件を超えていて、多くはアウシュビッツツアー参加者のものと思われる
クラクフの青葉のマックこと、中央市場広場横にあるハードロックカフェで早朝ピックアップ
マイクロバスに揺られ西へ1時間ちょっと、オシフィエンチムにあるアウシュビッツ・ビルケナウへ
第一収容所の敷地にはすでに大型観光バスがずらり並んでいる
このゲートをくぐる
ググればアウシュビッツの写真なぞゴマンと出てくるけど、できるだけ載せておきたい
あちらとこちら
この数メートルが遠い
建物も木も整然と並んでいる
木々がたなびくほど風が強く、夏でも半袖では過ごせない
やがてくる冬の厳しさを想像する
ガイドの説明を聞きながら、みな言葉を交わすわけでもなく、ツアーはすすむ
メガネのフレームとレンズ
無数の食器
カバンには持ち主の名前が
名前があることで、一人一人の存在が急に近くに感じる
壁の前に花が手向けられている
ここで何が行われていたのか
説明を聞けば何が行われていたのか知ることができるけど、説明を聞かずに想像することも大切だ
ガス室にも入る
晴れ間も見えた空はいつのまにかどんよりと曇り、小雨もパラつき、肌寒い
当時の人たちは、同じ空をどんな気持ちで見ていたのか
絶望、希望、それとも無の境地か、、
ほど近い第二収容所までバスで移動
多くの人々はこのゲートから生きて出ることはなかった
人々が乗せられた貨車
ここに人々が詰め込まれた
これまで、どこに行くからと特に予習もせず、そこで何か感じるものがあればそれでいいというスタンスでいろんなところに行ったけど、さすがに今回は何か前知識を入れたほうがよさそうだと、出国前に夜と霧を読んだ
不朽の作である夜と霧では、このバラックでの生活の様子も詳しく描かれ、読む、読まないでここでの体験の質が大きく変わる
もしアウシュビッツにこれから行く人がいるなら、一冊だけ、夜と霧を読むことを強くおすすめしたい
そして、できるならベルリンにあるユダヤ博物館にも足を伸ばしてもらいたい
終始暗く、重苦しい空気をまとうアウシュビッツのツアーガイドと、明るくあたたかいユダヤ博物館のユダヤ人スタッフの雰囲気から、アウシュビッツの凄惨さと、ユダヤ人の懐の深さ、生きる知恵を感じることができる
そうしたユダヤ人に対するナチスドイツの妬み、嫉妬がアウシュビッツを引き起こさせたのではないか
そんな気にさせられる訪問だった
偶然ながら点と点がつながる、こうした体験、発見ができるのも旅の醍醐味といえる